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貧乏上等 守口・門真 (1)

迫り来る格差社会と貧困、この街で何が起こっているのか?

大阪府守口市・門真市。
大阪市の市域に隣接し、都心からさほど離れても無い場所に二つの小さな衛星都市がある。「世界の松下」として名を轟かせる、松下電器の企業城下町だった。

1960年代の高度経済成長期、わずか人口3万人だった門真市に、松下で働くために移住してきた労働者が次々やってきて、10年間で人口13万人にまで激増した。松下電器からの税収で財政は豊かだった。だからこそ大阪市と合併せずに市政運営を続けていったのだが…

しかしそれは長続きしなかった。門真の松下は70年代から生産部門から技術開発部門へとシフトし、下請け企業はどんどん数を減らし、バブル期以降になると生産部門は海外へ移転するなどし、門真の企業城下町としての姿はすっかり影を潜めてしまった。

それに人件費低コストで「世界の工場」として台頭する支那企業に負けじと、製造業の非正規雇用へのシフトによる人件費削減が、日本の工場仕事で飯を食ってきた庶民の生活に追い討ちを掛けた。

高度経済成長の波に乗り、田畑を潰して建てられた文化住宅群に引っ越してきた当時の若者は今ではオッサンオバハンに。賃金は下がるに下がり、生活保護水準、国民保険料もまともに払えず、門真市の国民健康保険収納率は全国最低の72.5%(2005年)。

年間所得200万円の4人家族でも年間43万4千円もの国保料を取られてしまうという門真市。財政難で国保料を下げる訳にもいかず悪循環。(→詳細

悲惨な格差社会の縮図 マンション変死体事件

同じく松下の城下町だった隣の守口市で、先日ショッキングな事件が起きた。マンションの屋上に捨てられた冷蔵庫の中から腐乱死体が出てきた。それは、マンションに住む女性で、59歳になる男の妻だった。

彼女は病死だった。清掃業に勤める夫の稼ぎが月十数万程度、持病を患っていたが、夫の収入に気兼ねして、病院に頑として行く事を拒み続けた。そのまま息を引き取った妻を、夫は「葬儀代がない」という理由で、亡骸を部屋に置き続けた。

遺体は腐敗をはじめ、やがて悪臭を放つ。たまらなくなった夫は、妻の亡骸を背負い屋上に捨ててあった冷蔵庫の中に押し込んだのである。

守口市・門真市。この街は、大阪の貧困の最先端を行っているといっても構わないだろう。府下最悪の貧困世帯の増加で膨らむ一方の福祉費用。破綻の危険はないのだろうか?

かつて大阪を中心とした産業構造を底辺で支えてきた労働者として、時間の大半を仕事に明け暮れた人々の人生の終着点は、この老夫婦のような絶望しかないのか、それとも…

この街の姿を、ぼちぼち眺めていこうと考えている。
現在進行形で広がり続ける、貧困の最前線へ。

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