貧乏上等 守口・門真 (2)
門真市役所は貧困層の修羅場

京阪電車に乗り、ゴキブリマンホールでおなじみの京橋から10分もしないうちに門真市駅に着く。
郊外というよりもまるで大阪市の一部のような感覚の場所である。むろん田畑が広がっているわけでもなく、大阪市内同様住宅だらけの風景だ。
駅を降りると、北側には松下・パナソニックの広大な工場が広がっている。企業城下町たる所以だ。
今でこそ「世界の松下」と呼ばれるようになった松下電器は大阪発祥の企業。昭和8(1933)年、大阪の北東方向、いわば「鬼門」と言われる現在の門真市に7万平米の広さの工場を建設した。(→詳細)それは縁起に囚われない経営者の判断からだった。
それ以来、門真市と隣の守口市にかけて、松下電器関連の工場やさらに多数の下請け、孫請け企業が登場し、企業城下町としての姿を見せ始める。そして、職を求めて大勢の人々が町にやってきた。本格的に発展しだしたのは、戦災のダメージからようやく立ち直り始めた昭和30年代からだった。
門真市は松下からの税収で財政の豊かな都市として成長し続けたのだが、それが一転、今では大阪府下最悪の失業率と最高の国民保険未納世帯数を誇るマッドタウンに変貌してしまったのだから驚きだ。

そんな門真市役所は松下電器本社の隣に位置する。大阪市内の区役所のような過度な豪華さは一切無い。古い市庁舎が今でも使われている。
市役所の中に入ると、窓口の一角がやけに騒々しい。
何事かと思って見てみると、そこは国民健康保険の窓口だった。
窓口の前に大挙して押し寄せていたのは、何やら書類を手にしたオジサンオバサン連中だった。良く見ると「国民健康保険料軽減」と書かれた市役所からの通知書類を手にしている。「保険料をまけてもらいに来た」とオジサンの一人は言う。しかし、窓口を待つ人の数がハンパではないのだ。なんと80人待ち。
それに対して窓口が3つしかないので、職員が一人、窓口の外に出て、座り込んで待っている爺さん婆さんの元にしゃがみこんで説明を行っている。しまいには、しびれを切らして、苛立ちを表に出す人間もいる。「全く、この市役所は無茶苦茶やっとる!なっとらん!」と怒鳴るオヤジ。
門真市役所では毎日こんな状態が続いているのだろうか。
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