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第四章 大阪人の会話大阪市民の日常会話が本当に漫才なのかということについて検証。◆顔が見える「商店街のまち」・大阪 大阪に住んでいると日常のあらゆる場面で人と人と関わりあう場面に遭遇する。 全国的にも街の匿名化が進んだ現代でも、大阪人の買い物と言えば大型スーパーマーケットよりもアーケードのついた地元の商店街。そこで繰り広げられる商店主とお客との会話も、既に漫才の領域。
「まいど、今日はこれが特価やで、全部で300万円にまけといたるわ!買うてって」 大阪の商売人が品物の値段に「万円」をつけたがるのは本当の話だ。景気の良い話ではないか。しまいには世間話も始めてしまう。毎日のことなので、商店主とお客同士の顔が見え、信用関係も成り立つ。 それが数年のスパンにもなると、おたくの息子さん立派になったなーとか、家族が歩いているだけでも話のネタにされてしまう。都会といえども、その細部は昔ながらの田舎臭いコミュニティが形成されている。商店街だらけの街・大阪ならではの風景である。 例・九条商店街「古谷安楽堂」のおばちゃん 商店街の基本は個人と個人の信頼関係。その風景が、資金力のある大型スーパーに追いやられてしまっているのは全国共通の話。 ナインモール九条商店街の古谷安楽堂も、元は仏壇の店だったが、肝心の仏壇が売れず、お客の要望に応えていったらいつの間にやら野菜や果物、雑貨品や普段着を売るようになってコンビニ化。残念ながらこの店も今では営業していない。 ◆大阪人の会話は常に漫才である 残念ながら私は例外であまりそのようなことはないが、得てして大阪人には日常会話がそのまんま漫才と化している風景に出くわす事が多い。 これには紛れも無くテレビの影響が強い。 上沼恵美子、やしきたかじんを代表とする「どしゃべり」のタレントが出てきて言いたい放題ズケズケ発言する番組が昔から視聴者のウケがよく、それが大阪人が「しゃべり」であることのコミュニケーションスキルを増幅させている。 関西ローカルの主な「しゃべり」のタレントの一例を挙げてみる。 「どしゃべり」 やしきたかじん 上沼恵美子 ハイヒールリンゴモモコ ダウンタウン 島田紳助 なるみ 「大御所」 桂三枝 落語寄席と言えば長らく東京が中心のようで関西では戦後長い間「吉本新喜劇」を代表とする「漫才」の台頭により影を潜め、寄席自体も存在しなかったが、大阪でもつい最近になって桂三枝師匠を初めとする有志の力により「天満天神繁昌亭」という上方落語寄席がオープンした。 一方の「どしゃべり」は言われるまでもなく昭和50年代以降のMANZAIブームの流れをくんだものであり、当時一世を風靡した「やすし・きよし」をはじめにして、それらの漫才の会話は喧嘩漫才と言われるような矢継ぎ早でテンポの速い会話と、笑わせるためなら下品になっても構わない、歯に衣着せぬ毒舌で相手にツッコミを入れたりする独特のノリが生まれた。 「やす・きよ」ブーム以降、「オレたちひょうきん族」をはじめとした全国放送のバラエティ番組に関西のお笑い芸人の露出が増え、それがしいては「大阪人」という固定化したイメージを全国の人に根付かせる元となった。 大阪の一般家庭では子供の頃からそういうテレビばっかり見ることにもなるので、どうしても会話が漫才のようになってしまいがちだ。 会話のおもしろい奴は「アンタ、おもろいわ、吉本行ったらええねや」と本当に言われることもある。 もちろんそんな人ばかりが居る訳ではないが、確かに大阪はコミュニケーションの街、どしゃべりの街なのである。 |
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